「人の悩みは、全ては人間関係である」
心理学者アルフレッド・アドラーの有名な言葉です。
私自身、これまでの人生を振り返ってみると、精神的に参ってしまうような辛い出来事は、やはり人間関係によるものでした。
もし、あなたが今、職場や学校・家庭の中で、人間関係で苦しんでいるとしたら……。
とても辛いでしょうし、憤りを感じたり、身体や心にも影響が出てきてしまったりということもあるかもしれません。
今日は、そんな誰もが経験する人間関係の悩みを、少しでも軽減できるように、人間関係の仕組みや、ちょっとした工夫で自分の気持ちを知る手掛かりをお伝えします。
人の気持ちは伝播する
人間関係は、目には見えません。しかし、その場の雰囲気を形作り、人の気持ちにも影響を与えてしまう、そんな大きな力があります。
温かな関わりには温かな気持ちを感じ、温かい応対をしたくなるものです。
冷たい態度や否定されるような関わりには、悲しい気持ちや怒りを感じてしまいます。すると自分も不機嫌になってしまって、冷たい態度をとってしまいがちです。
そう、人の気持ちは、伝播していくものなのです。
だとすると、あなたは「温かい気持ち」と「不機嫌な気持ち」のどちらを周りの人に伝えていきたいですか?
周り回って、繋がっていく気持ちを想像すると、きっと「温かい気持ち」ですよね。
人それぞれに大切にしていることは違う
それでは、なぜ人は「不機嫌な気持ち」が態度に出てしまい、冷たい態度や否定するような関わりをしてしまうのでしょうか。
人にはそれぞれ、自分が大切にしている価値観があります。人と接するときには、ついつい自分の価値観の枠に相手を当てはめようとしてしまいます。
例えば、会社の打ち合わせで自分の意見を伝えるとき、同僚や上司が「いいね」と同意してくれると嬉しいですよね。
でも、異なる意見があがったとき「どうして自分の意見を否定されてしまうんだろう」と悲しくなったり憤ったりしてしまうことがあるでしょう。
でも、皆それぞれに大切にしている価値観があり、それによって意見が異なってきます。
それを知ることで、むしろ同じ意見の方が珍しくて、意見が異なることは当たり前のことであることに気づくことができます。
受け入れなくてもいいから、いったん受け止める
それでも、相手が自分と異なる意見を唱えたとき、人は「否定された」と思ってしまうものです。
そんなときには、全てを「受け入れる」必要はないので、いったん「受け止める」ことを意識してみてください。
もちろん、同じ意見や価値観で、あなたが素直に共感できるなら、「そうしよう」と受け入れても大丈夫です。
もしも違う意見や価値観であったなら、いったん「なるほど」「◯◯さんはそう思うんだ」と受け止めることで、相手が大切にしていることを客観的に理解することができます。
そして、自分にも大切にしている価値観があり、こんな傾向や考え方のクセがあるんだな、と知ることも大事です。
自分を理解することで、相手に勝手に期待してイライラすることも少なくなるかもしれません。
自分の関わり方はコントロールできる
人間関係において、直接あなたの思いどおりに相手を変えることはできません。
しかし、あなたの関わり方が変わることで、相手の反応を変えることはできます。
相手の意見を、相手が大切にしていることとして受け止めることができると、きっと相手との関係性はよい方向に向かいます。
何を隠そう、この原稿を書いている私自身も、日頃から人間関係に悩み、しょっちゅう落ち込んでいたりします。
でも、幸せを感じるのはどんなときかな、と考えてみると、やはり人間関係の中からだったりします。
すべての人と分かり合うことは難しいかもしれません。
その人、その人、好きなものなどの好みや、大切にしていることが違いますから。
でも、少なくとも、自分の周りの大切な人たちには、「私はあなたが大切です」という気持ちで接したいものですね。
「あなたの心に、温かさを届けてくれるものは何ですか?」
幸せの提案®認定レジェンドマイスター・認定講師
すずらん