「キャリア」というと、仕事をイメージする人が多いようです。
ただ、その人の生き方そのものに意識を向けることができたとき、人生における様々な役割の全体を「ライフキャリア」として受け止めることができます。
そうすれば、仕事や働き方についても、新たな視点で考えることができます。
キャリアの理論で有名なL・サニー・ハンセン先生は、「人生における4つの役割」がパッチワークのように組み合わさって、意味ある全体になることを説明しています。
【4つの役割】
●労働(仕事)
●愛(家庭)
●学習(公式および非公式な成長の機会)
●余暇(仕事以外の活動)
また、「人生における4つの役割」を組み合わせて意味ある全体にしていくためには、次の6つの課題があります。
1.広い視点から仕事や働き方を考える
自分のやりたいことやできることが、どのように社会の問題解決やニーズを満たすことができるかを考えてみましょう。
2.自分の人生を有意義な全体として織りあげる
職業選択においても、人生の複数の役割と仕事とをどのように組み合わせることができるかを考えてみることが大切です。
3.家族と仕事を結びつける
伝統的な男女の役割は変化しています。
家庭の中で男性と女性が共同でキャリアを考える必要があります。
それぞれが仕事や役割を持ちながら、どのように分担していくか検討することが必要です。
4.多様性と包括性を重んじる
現代社会では、人種、民族的背景、社会・経済階級、宗教、年齢、性別、身体的能力など、様々な面でお互いに異なる面があることは当然のことです。
キャリアを考える場合も、多様性を大切に、このような違いをすべ包括できる道を考えられることも大切です。
5.内面的な意義や人生の目的を探る
仕事を通じて自分にとって大切にしたい「働く意義」や「価値観」を、職業選択のプロセスの中にも含めて考えてみましょう。
6.個人の転機と組織の変革に対処する
これからの社会は、これまで以上に厳しい環境の変化が予想されます。
自分自身の人生の変化に対処することができる方法を、身に付けていくことが必要です。
たしかに仕事は人生の大きなウェイトを占めていますが、仕事だけが人生の役割ではありません。
あなたが人生で大切にしたい役割には、他にはどんなものがありますか?
人生の目的や目標を大切に、仕事だけでなく、人生におけるその他の役割や、家族やパートナーなど大切な人のニーズも意識しながら、一日一日を大切に人生を紡ぎあげていきましょう。
「人生で大切にしたいことは何ですか?」
ライフキャリアカウンセラー
折山 旭